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病院紹介 大塚眼科病院のご紹介です。眼科診療の他にコンタクトレンズの処方も行っております。

診療実績

大塚眼科病院のこれまでの診療実績をご紹介いたします。

加齢黄斑変性の治療、抗VEGF療法(ルセンティス)の治療成績

図1 ルセンティスの投与用法

図1 ルセンティスの投与用法

日本では、平成21年3月13日にルセンティスの使用が可能となりました。ルセンティスは、4週毎3回硝子体(しょうしたい)内に投与(注射)し、その後は病状に応じて再投与を行うことになっています(図1)。

当院では、すでに100例近い症例にルセンティスを使用しております。ここでは、4週毎3回の投与を行い、その後4週が経過した51例51眼(平均年齢73歳)の治療成績を報告いたします。加齢黄斑変性に対する初めての治療としてルセンティスを用いた症例が34眼(67%)、以前に光線力学的療法(PDT)が行われていた症例が15眼(29%)、マクジェンの硝子体注射が行われていた症例が2眼(4%)です。

図2 視力変化(logMAR≧0.3)

図2 視力変化(logMAR≧0.3)

図2に視力の変化を示します。logMAR視力は視力を統計処理する際に使用される値で、少数視力の逆数を対数化した値です。視力の改善・悪化の判定は、logMAR視力が治療前と比べ0.3以上変化した場合としました。これは視力が2倍に改善した、あるいは1/2に低下(悪化)したことを意味します。19眼(37%)で視力が改善し、視力が不変であった28眼(55%)と合わせて、92%の症例で視力の低下を防ぐことができました。

図3 視力推移

図3 視力推移

図3は視力の推移です。51眼の治療前平均視力0.19は、治療3ヵ月後には0.35に向上しました。

造影剤を使った眼底検査では、加齢黄斑変性に伴う脈絡膜新生血管(CNV)の活動性が低下し、CNVが消失したり・縮小したりする症例が多数を占めました。その結果、網膜浮腫(むくみ)や漿液性網膜剥離(血管から漏れ出た水分により網膜が浮き上がる)が消退したり、網膜下出血や出血性網膜色素上皮剥離(出血により網膜が浮き上がる)といった所見も改善しました。これらの眼底所見の改善が、視力の向上につながったものと考えられます。

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